常備薬チェックリスト
常備薬は、家庭で常に備えておくべき医薬品の総称です。日常の軽い不調から緊急事態まで、迅速に対処できるようにするのが目的です。この記事では、2025年版の常備薬リストと、選び方・管理方法、実際の使用例を詳しく紹介します。
TL;DR - すぐチェックできる常備薬リスト
- 解熱鎮痛剤(例:アセトアミノフェン)
- 胃薬(例:制酸剤)
- 抗ヒスタミン薬(例:ロラタジン)
- 整腸剤(例:乳酸菌製剤)
- 消毒剤(例:ヨードチンキ)
- エピペン(アドレナリン自己注射薬)
- 絆創膏・ホットパックなどの応急処置用品
常備薬の選び方と管理ポイント
自宅にある薬は、主に「使用頻度」「保存条件」「対象年齢」の3つで絞ります。頻繁に使用する薬はまずリストに入れ、次に保存が簡単なもの(常温保存可)を優先。子どもがいる家庭は、対象年齢が広いものを選ぶと安心です。
管理のコツは「見える化」と「期限の定期チェック」。薬箱の扉内側に一覧表を貼り、使用期限は月単位でカレンダーに記入しておくと、期限切れによる無駄や事故を防げます。
必ず常備したい7つの薬と比較表
薬剤名 | 主な用途 | 推奨年齢 | 服用期間 | 保存条件 | 主成分例 |
---|---|---|---|---|---|
解熱鎮痛剤 | 熱・頭痛・軽度の筋肉痛 | 6歳以上 | 症状が治まるまで(通常3日以内) | 常温(15‑25℃) | アセトアミノフェン 500mg |
胃薬 | 胃もたれ・胸焼け・胃潰瘍予防 | \n12歳以上 | 症状が改善するまで(通常1‑2週間) | 常温 | 制酸剤(アルミニウム・マグネシウム) |
抗ヒスタミン薬 | 花粉症・アレルギー性鼻炎・かゆみ | 2歳以上 | 症状が続く限り | 常温 | ロラタジン 10mg |
整腸剤 | 下痢・便秘・腸内環境整備 | 6歳以上 | 1日1回、1‑2週間 | 常温 | 乳酸菌(ビフィズス菌)10億CFU |
消毒剤 | 創部の感染予防 | 全年齢 | 使用時のみ | 直射日光・高温を避ける | ヨードチンキ(2%) |
エピペン(自己注射薬) | 重度のアレルギー反応(アナフィラキシー) | Adult/Child用別設定 | 緊急使用後は必ず医療機関へ | 室温(15‑30℃) | アドレナリン 0.3mg/0.15mg |

各薬剤の具体的な使用シーンと注意点
以下では、実際に家庭で起こりやすいシチュエーション別に、先ほど比較した薬の使い方を解説します。
1.熱が出たとき - 解熱鎮痛剤の活用法
小児が38℃を超える熱を出したら、まずは水分補給と体温測定。その後、解熱鎮痛剤を体重(kg)÷10の量で服用します。12時間以上続く場合は医師受診が必要です。
2.胃もたれ・胸焼け - 胃薬のタイミング
食後30分以内に胃薬を1錠。過度の飲酒や脂肪分の多い食事の後は、2時間に1回までに抑えましょう。慢性的な症状は胃カメラ検査のサインです。
3.花粉症のくしゃみ - 抗ヒスタミン薬の継続
花粉が飛散する季節は、抗ヒスタミン薬を朝と夕方の2回に分けて服用。眠気が出るタイプは夜だけに切り替えると快適です。
4.子どもの下痢 - 整腸剤で腸内環境回復
水分補給と併せて、整腸剤を1日1回、乳児は粉末を湯で溶かして与えます。2日以上続く場合は脱水症状に注意し、医師に相談。
5.創部の洗浄 - 消毒剤の正しい使い方
出血が止まったら、清潔なガーゼに消毒剤をしっかり含ませ、患部をやさしく拭き取ります。刺激感が強い場合は生理食塩水で洗浄後に使用すると負担が減ります。
6.急なアレルギーショック - エピペンの緊急投与
呼吸困難・血圧低下が見られたら、すぐにエピペンを外側の太ももに押し込み、5分以内に再度投与が必要か確認。その後速やかに救急車を呼びましょう。
薬の保存と期限管理のベストプラクティス
薬は温度・湿度・光に敏感です。具体的なポイントは次の通りです。
- 温度は15‑25℃が理想。夏場は冷暗所のクーラーボックスを活用。
- 湿気は結露を招くので、シリカゲル入りの密閉容器に入れる。
- 直射日光は分解を早めるため、黒いプラスチックケースか金属製の薬箱を選ぶ。
- 期限は購入日と有効期限をラベルに記入し、月ごとにチェックリストを更新。
- 使用頻度が低い薬は、半年ごとに在庫を見直し、必要なら医師や薬剤師に相談。
緊急時に役立つ応急処置シナリオ集
実際に起きやすいトラブルをシナリオ形式で紹介します。読んで頭に入れておけば、慌てずに対処できます。
- 子どもの転倒で膝が擦りむけたとき:消毒剤で清掃 → 絆創膏で覆う。
- 食あたりで嘔吐が続くとき:水分補給と整腸剤で腸内バランス回復。
- 屋外で虫刺されが腫れた場合:すぐに抗ヒスタミン薬を1錠。腫れが拡大したら冷却と医師受診。
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本記事で紹介した常備薬に関心があるなら、以下のトピックもおすすめです。
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- 「高齢者向け常備薬の選び方と服薬管理」
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よくある質問
常備薬はどのくらいの頻度で見直すべきですか?
最低でも半年に一度は在庫と使用期限をチェックし、使用頻度が低い薬は医師や薬剤師に相談して処分または寄付を検討してください。
子どもが誤って常備薬を飲んだ場合の対処は?
すぐに水で口をすすぎ、可能であれば薬の包装や成分情報を手元に用意して、最寄りの毒物情報センターか救急へ連絡してください。症状が出たら医師の診断が必要です。
エピペンは家庭に必ず置くべきですか?
アレルギー歴がある家族がいる場合は、エピペンを常備することが強く推奨されます。保管温度や使用期限に注意し、使用後は必ず交換してください。
常備薬は全て常温で保管できますか?」
多くは常温で問題ありませんが、インスリンや一部の液体抗生物質は冷蔵が必要です。包装に記載された保存条件を必ず確認しましょう。
薬の有効期限が過ぎてもすぐに捨てなくてもいいですか?」
期限が切れた薬は効能が低下している可能性があります。特に感染症治療薬や救急用薬は使用しないで、薬局や自治体の回収箱で処分してください。